室内ゲレンデのひとつであるスノーヴァ羽島が、2021年11月末をもって閉鎖されます。
スノーヴァ羽島は天候関係なく年中雪があって、スキーヤー・スノーボーダーにとっては楽園の場所だったんです。
昔、筆者も通い詰めていた時期があったので、ほんとに思い出深いスポットなんです。
そこで今回はスノーヴァ羽島の思い出を振り返って、筆者にとってこのスポットがどんな場所だったか。
さらに、あたりまえにあった環境がなくなることで、今改めて感じていることを書いていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
スノーヴァ羽島は1番好きなスノーボードスタイルを仲間と共有し合えた大切なスポット
かれこれ10年も前の話になるでしょうか。
ふいに仲間たちに誘われたのがきっかけで、羽島デビューすることになったんです。
今思うと、もしこの仲間からの誘いが無かったら、ずっと行く機会はなかったかも…
だって、室内ゲレンデって独特の雰囲気が漂ってるんですもん。(これ行った人にはわかると思います)
ジャンプして着地したときのパーンッて音、レールに乗ってボードとぶつかり合うカーンッて音。
室内で反響する、この”音”がすごく威圧的に聞こえてくるんです。
ましてや当時はパークスタイルの全盛期、狭い空間にうまい人たちが大集合なんすよ。
まだスノーボードの”ス”もわかっていなかった筆者は、隅っこでちょこちょことジャンプの練習。
メインの大きなジャンプ台で飛ぶ勇気がつくまで、結構な時間がかかりましたね。
それと、難しい雪質には大苦戦でした。
特に夏場は氷の上にうっすら雪がのっている状態だから、エッジがすぐに抜けてすってんころりんです。
こけない日なんてなかったなぁ…
痛い思いばかりしてたなぁ…
そんなこんなで、筆者にとってスノーヴァ羽島は修行の場だったわけです。(仲間内ではドラ〇ンボールの”精神と時の部屋”、なんて呼んでました)
なので毎回、身も心もへとへとやったんですね。
けれども、なぜか楽しかったんです…
仲間どおしで”羽島部”なんて作ったりして、毎週通ってたぐらいだから、やっぱ楽しかったんですよ!
確かにスノーヴァ羽島は、うまい人の滑りがまじかで見られる、難しい雪質でエッジワークが鍛えられる。
そんな上達するきっかけがあったから楽しめたってのもあるけれど、やっぱり仲間がいたからってのが1番大きかった。
この狭い空間をどうやって滑るのか、どうやって遊ぶのかを一緒に考えあえる仲間がいた。
だから楽しめていたんだなって思いますね。
今でもゲレンデでは、仲間たちにしろ初めてセッションする人にしろ、滑っているときは常に遊び場所を探すスタイルが自分の中にあって、それが1番好きなスノーボードスタイルなんだなって感じるんです。
1番好きなスノーボードのあり方を知れて、それを仲間と共有し合えた場所。
そんな場所だったから、筆者にとってスノーヴァ羽島は思い出深いスポットなんです。
スノーヴァ羽島に通うことで環境について考えるきっかけに
この雪、一握りで何万円もするんだよ
これは羽島に通いだして1年目の時に、ローカルさんから教えてもらったことです。
当時は今ほど温暖化や雪不足についてそれほど騒がれてなかったし、毎年平地でも普通に雪が降っていたから環境問題についてあまり考えていなかった。
だから”雪なんて簡単に作れるんでしょ””頼むからどんどん作ってくれよ”なんて考えで施設を利用していたんです。
けれどもこの言葉を聞いて、雪を作り出すためにかかるエネルギー・維持するためのコストなんかを調べるようになってから、それまでの自分のおごった考え方や態度が恥ずかしくなったし、改めようって気持ちになったのを覚えています。
環境に対して個人でできる活動はほんの小さいことだけれど、スノーヴァ羽島でこの言葉があって、早い段階で気づくことができたことは本当に良かったなと思いますね。
もし気づかないまま今まで過ごしてきたなら、何もしてこなかった罪悪感で後悔していたかもしれないし。
終わりに:今ある環境があたりまえに続くとは思わず、そこから何をしていくかを考えよう
先日、当時とは違う新しくできた友達と何年ぶり(6年ぶり?)かにスノーヴァ羽島で滑ってきたんですよ。
そりゃあ、やっぱ久しぶりすぎてあれですよ…始めの方は独特の雰囲気に緊張していましたよ。
でもね、いざ滑ってみたら思った以上にスノーボードできたんです。
昔では考えつかなかった・いけなかったラインで滑れたりして、ほんの少し成長している自分がうれしかった!
(まぁ、成長していなかったらスノーボードやめよう、ってなっていたかもです…)
そして友達とスノーボードのことで”あーだ、こーだ”言い合いながら滑っているのが、やっぱすごく楽しかった!
スノーヴァ羽島のような狭い空間では、共感できる密度が高くて昔と変わらずいいスポットだなって感じましたね。
でもね帰り際にふと思ったんです。
「この場所がなくなるんだ…」
あたりまえのように雪があって、あたりまえのように楽しめるこの場所がなくなるんだなって。
だから、この日改めて思ったんです。
今ある環境は、あたりまえにいつまでも続かない。
今ある環境に感謝しつつ、その環境を守る・さらに良くなるように考える・行動していくことが大切だってことを。
このまま温暖化が進めば、スキー場は今後も減っていくでしょう。
だから、この思いを胸にこれからも横乗りスポーツを楽しんでいく、そして普段の生活の中でも大切にしていこうと思います。
最後にスノーヴァ羽島の関係者の皆さん、今まで楽しい環境を与えてくれて本当にありがとうございました。