パンピングを頑張ってるんだけど、うまく続かないんだよね…
実はパンピングって、下りで効率よく加速することが大切なんですよ。
ということで、今回はスケートボードのパンピングについて話していきます。
パンピングの姿勢や動作のコツをマスターすると、ランプやボウルセクションの中で滑り続けることができます。
当記事では、パンピングを習得するために必要な姿勢やR面に慣れる方法について紹介し、その後、R面での上りと下りの場面にわけて滑り方を詳しく解説していきます。
中でも下りで効果的に加速できる滑り方について着目しているので、ぜひご一読ください。
今回の記事は以下のような方に参考になります。
- ランプやボウルに初めて挑戦する方
- R面でうまくバランスがとれない方
- R面でどうしても減速してしまう方
- 効率よく加速する方法を知りたい方
当記事は滋賀県長浜市にある老舗スケートボードパーク、ハックルベリー監修のもと執筆しております。
パンピングの参考動画はこちらです。
スケボーのパンピングとは
パンピングとは、スケートボードパークのランプやボウルなどのR面で加速するために使う技です。
動作としては、ひざの曲げと伸ばしになります。
パンピングを習得することで、セクション内のポイントをつないで滑り続けることができます。
R面の上りは何もしない
ランプなどのR面を上る時は何もせず、次のような姿勢をとることが大切です。
上りはR面に対して、常に垂直の軸に合わせた姿勢をとる
いきなりですが、球体の振り子運動を思い浮かべてください。
ある支点からつるされた球体を揺らすと、ほぼ同じ高さの位置で揺れを繰り返しますよね。
振り子運動は、邪魔になる力(摩擦や空気抵抗)がない環境だと、永久に揺れ続けるらしいです。
ちなみにこれは「力学的エネルギー保存の法則」って言うみたいですよ。
ではこの力の法則を、スケボーのランプセクションの場合で考えてみましょう。
ある位置から滑り降りた時、なんの力を加えなくても、上りの頂点はその滑り降りた高さの位置と同じくらいになるはずです。
スケボーだけをランプの中で、高い位置から滑らすとよく分かります。
けれどもスケボーに人が乗るとそうはいかず、ウィールにかかる摩擦抵抗が増えて上りの頂点の位置は低くなります。
さらに悪い姿勢だった場合、より抵抗が大きくなって頂点の位置は一段と低くなってしまいます。
悪い姿勢とは、腰の位置が垂直軸の上にいない姿勢のことです。
なので、抵抗する力を減らすために、R面に対して垂直の軸上に合わせている姿勢が大切になってくるわけです。
特にR面へ進入する瞬間がいちばん抵抗力がかかるので、この時になんの力も加えないリラックスした状態で、垂直軸の姿勢ができるかがポイントです。
R面に対して垂直軸の姿勢を身につけるためには
R面に慣れていくには、ずばり反復練習しかありません!
とは言ってもそれは無責任なので、R面に慣れていく練習方法を紹介しますね。
- カニさん歩きでR面を登ってみる
- ランプの横方向から姿勢を確認してみる
【カニさん歩きでR面を登ってみる】
この方法は初めてRに入る方におすすめです。カニのように横歩きでR面を登ってみましょう。
そして垂直軸にするためには、どれくらい体を傾けなければいけないのかを確認してみましょう。
【ランプの横方向から姿勢を確認してみる】
R面で滑っている場面を、可能であればRの横方向から動画を撮ってみてください。
そしてこの時も、R面に対して垂直軸が取れているか確認しましょう。
腰の位置が、垂直軸に対して前後どちらかに外れていないかをチェックしてみましょう。
上りは上半身を引き上げないようにしよう
上りでは「高い位置まで上ってやろう!」と思って、上半身を引き上げてしまいがちです。
確かに引き上げた分、少しだけ高さを上げることはできます。
けれども、上半身を引き上げてしまうと全身は伸び切った姿勢になってしまいます。この姿勢は、R面から重心が高く離れてしまった安定性の悪い姿勢です。
さらに重心が高くなった分、ピークでひざを曲げるタイミングが遅れ、下りで加速することが難しくなります。
また、伸びあがるクセがついてしまうと、のちにコーピングやリップ技、キックターンなどにも悪い影響となります。
なぜなら、これらの技はすべて膝が曲がった姿勢で成り立つからです。
なので上りの姿勢では、上半身は引き上げずにピークに達するまで軽く膝を曲げて待ちましょう!
極論を言うと上りでは”何もしない”。
ムダな動作はせずに、前項で話したR面と垂直軸に合わせることに専念しましょう。
ピークでひざを曲げる
ピークとは、上りと下りの折り返し地点のことです。
このピークに達する時に、ひざをグッと曲げましょう。
ひざの曲げ具合でスピード調整
ひざの曲げ具合でスピード調整ができます。
ピークの手前でひざをより深く曲げると減速できます。この減速する方法は、狙ったピークを超えそうな時(速度が早い時)に使いましょう。
また、R面に進入した時の軽くひざを曲げた姿勢をとり続ければ、速度を維持できます。
このようにピークではひざを曲げ、またその曲げ具合を変えて速度を維持するのか、減速するのかを調整していきましょう!
ひざを曲げる時の姿勢について
ひざを曲げる時のポイントは頭と腰の位置です。頭と腰は、スケボーの横幅に対して垂直の軸上に置きましょう。
やってはいけないことは、前かがみになって姿勢を低くすることです。
この姿勢は、頭とおしりがスケボーからはみ出てしまうバランスの悪い姿勢です。
よく、太ももに手をつきながらひざを曲げる方がいますが、これも不安定な姿勢になるのでやめましょう。
正しいひざの曲げ方は次のとおりです。
この姿勢をマスターすることで、下りで加速する力を的確にスケボーへ伝えられますよ。
下りでひざを伸ばして加速しよう
下りではピークで曲げたひざを伸ばし、R面にかかる遠心力や重力をうまく利用して加速しましょう。
とは言っても、今から物理の話をすると長くなってしまうので、それはやめておきますね。
なので、ここからは物理の原理を活用できる、ひざを伸ばす時の目線、ひざの伸ばし方について説明していきます。
ひざを伸ばす時のポイントを目で確認しよう
目線について、上りから下りにかけて一連の流れをふまえて説明していきます。
よく「進行方向を見て」と教わると、目線を遠くにしてしまうことがあります。
これだとひざを伸ばすタイミングがわかりません。
正しい目線の移し方は次のとおりです。
このように下りでは足元を見続けながらひざを伸ばしていきます。そうすると、足元の状況を確認できるのでひざを伸ばすタイミングが合わせやすくなります。
また、恐怖心を和らげることにもつながります。
下りでひざを伸ばす時も上半身は引き上げないようにしよう
下りでひざを伸ばす時も、上りの時と同じように上半身を引き上げないようにしましょう。
なぜなら、重心が高くなってR面から離れすぎてしまうからです。この場合、スケボーにかかる圧力が弱くなり、すっこ抜けて転んでしまいます。
しゃがんだ姿勢から、ひざを伸ばす動作は次のように行いましょう。
腰の位置(高さ)は固定したまま、ひざを伸ばしていく!
この、ひざの曲げ伸ばしだけでR面を滑る方法をマスターすると、高い位置から滑りおりる時にも安定感がアップします。
R面の全体を使ってひざを伸ばしていこう
次は、下りでひざを伸ばす長さについて話していきます。
ピークから下る時に、R面全体をなぞるように使うとより加速できます。
「R面の全体を使う」と言っても目で確認しながら滑るのは難しいので、ひざを伸ばす時間の長さで考えてみましょう。
感覚的な話になりますが、曲げたひざを「ギュッ」と一瞬で伸ばすのではなく、「ギュゥン」と伸ばす意識をすると、荷重の時間が長くなってR面全体を使えるようになります。
0コンマ何秒の差ですが、この違いで速度は上がります。
R面を有効に使って、下りで加速できる滑り方にしていきましょう!
まとめ
今回は、スケートボードのランプやボウルなどの斜面で加速するための技、「パンピング」について解説してきました。
R面でパンピングする時の、一連の動作は次のようになります。
- 上りはR面に対して垂直の姿勢をとる
- ピークでひざを曲げる
- 下りでひざを伸ばす
さらに、R面でのパンピングのポイントは以下のとおりです。
- 上りは何も無駄な動作はせず、R面と垂直軸に合わせることに専念する
- ピーク時のひざの曲げ具合でスピード調整する
- ピーク時にしゃがむ姿勢は、頭と腰の位置がスケボーの横幅からはみ出さないようにする
- 下りは足元を見続けながらひざを伸ばす
- 腰の位置(高さ)は変えずに、曲げたひざを伸ばしていこう
- 下りにR面全体を使ってひざを伸ばしていくと、遠心力や重力を利用してより加速できる
以上のポイントをふまえて、R面での練習を繰り返して効率の良い下りで加速できるパンピングを習得していきましょう!
今回の記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。